2017.11.01 就活
【キャリアのミカタ】料理系IT業界最大手のクックパッドを企業研究してみた。

◆ はじめに

先日、友人が「最近はKurashiruで料理を作ることが多い」なんて話をしてきました。  

たしかに最近は凄くレシピ動画アプリが流行っています。そして話を聞いていると  

「クックパッドはもうオワコンになるんじゃないか」という方向へ。  

筆者自身、「kurashiru」や「Delish Kitchen」などのレシピ動画アプリのユーザーですしもちろんクックパッドも使うのですが、実際のところ、ユーザーや収益率、利益など企業としてはどちらが優勢なんでしょうか?  

業界最大手のクックパッドを競合と比較して、分析してみました。料理系IT企業志望の方は必見です!


◆ クックパッドについて

そもそも皆さんはクックパッドについてどこまでご存知でしょうか?  

まず初めに、クックパッドの基本情報をおさらいしたいと思います。  


基本情報

Image by cookpad


*会社名

クックパッド株式会社


*資本金

52億6748万円


*住所

〒150-6012 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー12F

▶ アクセス


*設立年月日

1997年10月1日


*代表執行役

岩田 林平


*事業内容

料理レシピ投稿・検索サービス『クックパッド』の企画・運営、その他関連事業


沿革

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Photo by rawpixel.com on Unsplash


・1997年10月

神奈川県藤沢市にて有限会社コイン(現 クックパッド株式会社)を設立。

・1998年3月

料理レシピの投稿・検索インターネットサービスである「kitchen@coin」を開始。

・1999年6月

「kitchen@coin」から「クックパッド」へサービス名を変更。

・2004年9月

「クックパッド」のプレミアムサービスを開始。

・2004年9月

「クックパッド」のプレミアムサービスを開始。

有限会社コインからクックパッド株式会社へ組織変更。

・2007年7月

指名委員会等設置会社へ移行。

・2009年7月

東京証券取引所マザーズに株式を上場。

・2013年6月

「クックパッド」のプレミアムサービスの会員数が100万人を突破。

・2014年1月

アメリカ子会社Cookpad Inc.(現 連結子会社)を通じて

アメリカのレシピサービス運営会社 ALLTHECOOKS, LLC(2016年4月 Cookpad Inc.に吸収合併)を孫会社化。

以後、海外展開を本格的に開始。

・2014年9月

本社を東京都渋谷区恵比寿に移転。

・2016年10月

「クックパッド」のレシピ投稿数が250万品を突破。

・2016年12月

本社を東京都渋谷区恵比寿に移転。

英国のCookpad International Ltd.(現 Cookpad Ltd.)を海外事業のすべてを統括する第二本社と位置付け、

海外子会社の再編を実施。

 

ミッション

Photo by Ben White on Unsplash



「料理をつくることは地球のこれからをつくること。」


というミッションのもと、


「個人と社会と地球がかかえるさまざまな課題を、

料理をとおして見つけ、考え、解決する。

そして、これからの時代にふさわしい豊かさをつくっていく。」


を目標としているそうです。


◆ 競合企業について

今回、企業研究として、 レシピ動画アプリの中でも最多レシピ数を誇る「kurashiru」と群雄割拠のレシピサイト業界に参入したダークホース「Nadia」を比較対象として挙げてみたいと思います。

レシピ動画アプリ最大手「kurashiru」

Image by kurashiru

 

 

kurashiruは、動画でレシピを紹介するスマホアプリです。

運営しているのはdely株式会社で、サービス開始は2014年4月。

開始から多くのレシピ動画をアップし、現在は世界的に見てもレシピ数堂々の1位を獲得。

レシピ動画アプリも数あれど、kurashiruが名実ともにトップランナーと言っても過言ではないでしょう。

2016年11月に、5億円の資金調達をしていましたが、今年3月に新たに30億円の資金調達を行っており

資本金は37億1568万円(2017/4/17現在)となっています。

ミッションは「70億人に1日3回の幸せを届ける」というもので、現在でも毎日レシピ動画を更新しています。

レシピサイト業界のダークホース「Nadia(ナディア)」

Image by Nadia


2012年設立された株式会社OCEAN'Sが運営するレシピサイト、それがNadiaです。 基本的な作りや見た目はクックパッドとあまり違いはありません。

しかしながら10月9日現在、「レシピ サイト」と検索すると検索順位1位でヒットします。 2012年には既に多くのレシピサイトが運営されており、また、クックパッドも既にマザーズに上場。

業界のトップの地位を築いていたはずです。なぜ、そんな群雄割拠の時代からレシピサイトに参入し今日まで生き残っていられているのでしょうか?そのあたりのカラクリを次の項目でクックパッドと比較しながら見ていこうと思います。


◆ クックパッドと競合企業を比較してみた。

では具体的に、クックパッドと競合他社を比べていきたいと思います。

 

基本情報の比較

 

まずは基本となるユーザー数とコンテンツ量で比較してみました。

*ユーザー数

・クックパッド 628万人

・kurashiru 232万人

・Nadia 非公開(月間UUは300万人)

*コンテンツ数

・クックパッド 277万レシピ

・kurashiru 1万レシピ

・Nadia 3万レシピ

  

やはり業界最大手のクックパッドが二つの指標において、ガッチリと1位をキープしていました。

なんといってもコンテンツ量に関しては、他の追随を許さないレベルです。

 

ビジネスモデルの比較

 

次にビジネスモデルの比較です。 まずはクックパッド。

クックパッドはCGMという形式のメディアを運営しています。

CGMというのは「コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア」というもので、ユーザーにレシピを自発的に投稿してもらい、そのレシピに広告をつけることや有料プレミアム会員だけが見れるレシピを配信するなどで収益を上げています。

つまりは、ユーザーが投稿すればするほど収益源が増え、 またコミュニティーが活性化するということです。

CGMの構築には非常に多くの時間がかかります。 そのため、多くの時間をかけてつくられたレシピ集とコミュニティーは、競合他社との非常に強力な参入障壁となっています。

そして、kurashiru。kurashiruはバイラルメディアとしてSNS上の拡散をメインターゲットにスタートしました。

多くの動画レシピサイトに先駆けて、スマホアプリを提供し顧客の流入経路を固定化。

動画広告を中心に、大手企業と提携。ネイティブアドというレシピ風広告を提供しています。

レシピ動画というアイデアは、目新しくビジネスも新しく見えますが、 動画制作のコストが掛かり、コンテンツを爆発的に伸ばすことは難しいようです。

ですが、こちらも将来的には圧倒的なコンテンツ量で参入障壁を築き上げるでしょう。

多くの競合とのデットヒートにも注目です。

最後に、Nadiaのビジネスモデルをご紹介します。既にクックパッドという、圧倒的な競合が存在するレシピサイトに参入したNadiaですが、クックパッドとの差別化要因はどういったところにあるのでしょうか?

それはずばり「Nadia Artist」という運営側で厳選された料理研究家が提供するレシピが閲覧できる、という点です。

料理の専門家が公開するレシピを無料で閲覧できますし、「Nadia Artist」側はそれらの無料レシピをマーケティングの材料として、レシピ本の宣伝や、料理教室の宣材として活用することが出来ます。

今までは料理研究家の価値を判断することは困難でしたが、Nadiaの登場で、無料レシピを試すことができ、料理研究家の実力を推し量ることが出来るだけでなく、クックパッドなどで発生した食用には向かない危険なレシピの公開なども、Nadiaではプロが監修しているため防止されます。

また、運営元のOCEAN'Sは 「Nadia Artist」のマネージメント事業も進めており、ファンも料理研究家も双方向で確保することに成功しています。

◆ まとめ

クックパッドはやはり強かった!!

レシピ動画アプリの登場により流行りが終わったコンテンツ「オワコン」と呼ばれそうになったクックパッドですが、

多くの指標を見ると、まだまだレシピ動画アプリが追いつくには時間が掛かりそうです。

また、実際に料理をする主婦の話を聞いてみると「レシピ動画はあまり見ない」と話をしており、 実際に料理を普段からするターゲット層に対してはまだまだ強みを発揮していることが分かりました。 逆にレシピ動画アプリは、学生といった若年層における料理デビューをサポートしているのではないでしょうか?

それぞれのサービスに、ターゲット層の違いがあるように感じました。

クックパッドが運営するレシピ動画サイト、クックパッド料理動画に関しても、株主総会にて「注力する」と宣言しており、 また、レシピ動画をすでにあるレシピのリンクをもとに制作、レシピ自体が親切で見やすいというメリットもあります。

そして何と言っても、クックパッドはすでに持っているコミュニティーやレシピデータが膨大です。

レシピ動画サイトに関しても、例えば過去のハロウィンで人気のあったレシピを優先的に配信することも出来るでしょうし、他にもコミュニティーパワーを活用したC2Cプラットフォームを構築中だそうです。

今まで築き上げてきた膨大なデータが今後やってくるAI・データノミクス時代で活躍すること自体は間違いなさそうです。





◆ さいごに

料理系IT企業に就職したい皆さまへ

Photo by Jeff Sheldon on Unsplash

 

将来は料理系のIT企業、例えば今回で言うとクックパッドに就職したいと考えている学生エンジニアの皆さんを、私たちは、学生エンジニア就活支援サービスのCareer Selectを通して、応援したいと思っております。

もっと企業の内側を知りたい!表面で見える部分以外を聞いてみたい!という方はCareer Selectに登録いただき、就活のプロである専任エージェントに是非ご相談いただければと思います。きっと皆さんのお役に立てるはずです!