2017.11.07 就活
【キャリアのミカタ】CMでも話題の「サブスク」って? 「サブスク」について、徹底検証してみた。

◆ はじめに

皆さんは「サブスク」という言葉を聞いたことはありますか?  

最近では、欅坂46が出演するCMで「ファッションもサブスクへ。」という  

キャッチコピーが使われ、話題になりました。  

一体、この「サブスク」とは、どういったものなのでしょうか?


◆「サブスク」とは?

そもそも、「サブスク」とは一体何なのでしょうか?  

「サブスク」は英語の”subscription'という単語を略した呼称です。  

特に、ビジネスモデルの1つである、サブスクリプションモデルを指す場合が多く、今回のCMの中でも、このモデルを指しています。  

サブスクリプションモデルというのは、サービスを一定期間使用できる権利に対してお金を支払うモデルで、一回あたりにお金を払うモデルの対極にあり、音楽一曲一曲にお金を支払う「iTunes」に対して、月額聴き放題でお金を支払う「Apple Music」や「AWA」「LINE Music」など、近年では多くの音楽ストリーミングサービスで見られる支払いモデルになります。

こういった例を聞くと、最近のIT業界で流行っているモデル、という認識になりそうですが実際のところ、ほとんどの人はすでにこういったサービスを使っているのではないでしょうか。

例えば、電車の定期券。これも定期券という会員権に対してお金を支払うことで電車というプラットフォームを決められた区間で使い放題にすることが出来るモデルです。  

案外、私たちはこういったサブスクに馴染みがあるのかもしれませんね。


◆ 有名なサブスクリプションモデルのビジネスと代表企業

さて、現在のIT業界で有名なサブスクリプションモデルを採用している企業をご紹介しましょう。  


Spotify(スポティファイ)

現代のサブスクリプションモデルを採用するビジネスの典型例としては音楽ストリーミング配信事業が最もよく挙げられるのではと感じますし、最初にこの事業分野を開拓したパイオニアとして有名なのが、Spotify(スポティファイ)です。Spotifyは、音楽のストリーミング配信サービスを1億4000万人以上の人々に提供しています。これは、「Apple Music」のユーザー数を2倍以上で引き離す数で、音楽ストリーミングサービス業界ではトップを走り続けています。


Netflix

動画の定額配信サービスも、音楽配信系と同様に乱立しており、依然として争いが続いている状態です。  

しかしながら、日本でもCMを行っている米国企業のNetflixが多くのシェアを占めており、動画ストリーミングサービスではトップを走っています。その数、なんと一億人以上。

これからも多くの国に進出する予定で、これからも伸び続けることは間違いないでしょう。  


Adobe


多くのクリエイティブソフトを提供するAdobeは、2012年から完全買い切り型の収益構造から月額課金型のサブスクリプションモデルに移行しました。

最初は多くのクリエイターがこの移行を批判をしましたが、毎年ソフトウェアをアップデートし、常に最新版を使えるようになった環境は制作現場には革新的な変化でした。  

ソフトウェア業界では最大手のAdobeがサブスクリプションモデルに移行したことにより、多くのソフトウェア企業が続いて導入。今では月額課金が主流になっています。


◆サブスクリプションモデルについて企業側のメリット

Adobeや多くのソフトウェア・クラウドサービス系企業がサブスクリプションモデルに移行したと前述しましたが企業側としては、なぜ移行するのでしょうか?  理由としては、大きく分けて2つあるように思われます。  


1、安定した収益を得られる。

Photo by Carlos Muza on [Unsplash]

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まずは当たり前ですが、安定した収益を得られるという点です。先程のAdobeの例を見てみましょう。  

今までのAdobeは1.5年に一度、大型アップデートを繰り返すというリリース方式でした。  

買い切りアプリではありますが、フルで製品を揃えると40万円と非常に高く、もちろん消費者側の負担ではありましたが、同時に開発側でも負担となっていました。

なぜなら、ユーザーの購買意欲をそそる目玉機能が必要とされたためです。しかし、月額課金制のサブスクリプションモデルにすることで、収益が安定し、その結果、技術的負債の返済や、未来への投資的な機能の開発、コア機能へのリソースの集約などAdobe社の企業としての基礎体力が大幅に改善されました。


2、顧客データを詳細に把握することが出来る。

Photo by G. Crescoli on [Unsplash]

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二つ目の理由は顧客のデータや動向を掴みながら製品開発や経営を行えるという点です。  

企業は今までの契約率や解約率を元に、その一年間でのユーザー数の増加や、さらには売上についても容易に予想することが出来ます。  

実際に、業務管理システムを提供するsalesforce.comでは、会計年度の初日に、四半期の売上予測であれば、ほぼ100%。年間の売上では8割の確率の予想を立てることができるそうです。    

また、Netflixではユーザーの趣味趣向を把握しており、どういった作品が売れるかだけでなく、どういった層がどういった時間に見て、どこで離脱するか、までもデータとして取ることが出来ます。  

そのようなデータを活用することで、現在では多くのオリジナル作品を手がけるようになっています。  

これはサブスクリプションモデルで受けられるデータの恩恵と言っても過言ではないでしょう。  


このように、中長期の戦略が立てやすくなり経営が安定する点や、よりユーザーに向き合った顧客開発が出来る点からサブスクリプションモデルは企業にとって非常に魅力的なモデルと言えるでしょう。  

これだけのメリットがあれば、多くの企業が移行したがるのも自然なことだと考えられます。


◆サブスク系サービスの人材に求められること

このようなサービスで必要とされる人材の要素は一体どういったものがあるのでしょうか?


1、サービスを落とさないための技術力

サブスク系サービスで、サービスを落とすことは絶対にあってはならないことです。  

なぜなら、サービスを落とすことは信頼に直結し、その結果、継続率を下げてしまうことになるからです。  

継続率を下げてしまうことは、年間の見通しにも暗雲が立ち込めるため、サブスク系サービスとしては最も気を使っている最重要KPIと言っても良いでしょう。  

そのために、インフラ系エンジニアやバックエンド系エンジニアには、品質が高く、また信頼性が高いコードやアーキテクチャを求められます。  


2、データを分析し、ニーズを読み取る力

前述の通り、ただサブスクリプションモデルでビジネスを続けていくだけの経営戦略は死活問題です。  

サービスを運営することで、多くのデータを取ることが出来ます。これらのビックデータを分析し、コンテンツの補充に活かすことの出来る力が必要です。実際に、多くのサブスク系サービスを運営する企業の求人を見てみると分かるかとは思いますが、通常のサービスと同じく、フロントエンドやバックエンドの求人はありますが、データサイエンティストやAIエンジニアといったデータを活用するための役職の求人が多いことが分かります。  

多くの企業がデータを活用したがっており、このようなデータ分析を行えるスキルセットは、習得しておく

人材市場において、非常に有利に立ち振る舞うことが出来るでしょう。


3、ひとつのことに夢中になれる

原則としてサブスク系サービスは基本的に一つのプロダクトにコミットし続けることが前提となってきます。会社としてはそのサービスを突き詰めることを求めるので、もちろんエンジニアに対してもそういったマインドセット的な部分が求められます。

これは人によって向き不向きがあるかもしれません。マインドの部分は重視されないようで、意外と会社に入ってからの退職率に関係があるため、向いていると思った場合は積極的に面接でコツコツと努力できる部分をアピールすべきでしょう。


◆まとめ

これからは全て「サブスク」に!?


上記では、サブスクのメリットやそれを取り入れるIT企業を紹介しました。  

しかし、実際にサブスクリプションモデルに移行している業界はITだけに限りません。  

じつは日本では「野郎ラーメン」という飲食店が、ラーメン一ヶ月食べ放題というサービスの提供を開始。  

一部界隈では非常に話題になりました。また、吉野家やはなまるうどんなどの大手外食チェーンでも牛丼を80円割引する定期券や、天ぷらを無料にする定期券が発売されています。

サブスクリプションモデルを導入し、安定した経営を行いたいのは飲食店も同じはずです。  

今後もラーメンだけでなく、他の料理店でサブスクが導入されるかもしれません。  

またファッション業界でも、この流れは止まらず、「AirCloset」「メチャカリ」などの競争が激化しています。  

私たちの生活の全てがサブスクで埋め尽くされるのも時間の問題かもしれませんね!


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Photo by Parker Byrd on [Unsplash]

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