2017.12.04 就活
就活生必見!達人たちから学ぶプレゼンの極意【構成編】

◆ はじめに


皆さん、こんにちは。社会人で必要なスキルは?と聞かれると中々決めづらいとは思いますが、 プレゼンスキルは多くの人から賛成されるスキルの1つなのでは無いのでしょうか?  

一方で、苦手としている人が多いスキルとして挙がる候補の1つでもあります。  

なぜプレゼンスキルは重要なのでしょうか?  

なぜなら社会では相手に決断を迫る局面で正しく情報を伝えることが重要となることが多々あるからです。  

就活生の皆さんの場合は、採用面接がそのような局面にあたるでしょう。  

もっと広い視点で見ると、企業自身もそうです。サイクロン掃除機を大ヒットさせたダイソンは「吸引力が落ちないこと」で知られています。しかし、日本製の掃除機は吸引力が落ちてもなお、ダイソン製の掃除機よりも吸引力が高かったそうです。  

「吸引力が落ちないたった1つの掃除機」というCMという名のプレゼンが、吸引力が下がることが不快であると感じていた顧客に刺さった結果、独自のブランドを構築し、市場を席巻しました。  

このように不利な状況下にあると感じた場合でも、ターゲットのニーズを的確に捉え、上手くプレゼンを通して伝えることで、戦況を、ひいては人生を大きく変えることが出来ます。  

今回から全二回に渡って、そんなプレゼンスキルが劇的に改善するエッセンスについて、プレゼンの達人たちから学ぶ特集記事をお送りします。  

第一回目の今回は、プレゼンの「構成」というエッセンスについてです。


◆ 伝説の日本人プレゼンター、澤円(さわ まどか)

 

Photo on なぜ元プログラマーがマイクロソフトでプレゼン1位になれたのか | グローバル仕事人のコミュ力 澤円 | ダイヤモンド・オンライン


今回、お手本としてエッセンスを学んでいくプレゼンの達人は、日本マイクロソフトでプレゼンテーションを年間100回以上こなしているという、澤円(さわ まどか)氏です。

澤氏は全世界にいる従業員の中で優秀な社員にのみ授与される「Chairman’s Award」を受賞した経歴も持つ凄腕プレゼンターで、カンファレンスでプレゼンをされたり、今でもマイクロソフト社内でプレゼン塾を開催されたりと、第一線で活躍されています。

しかし、澤氏は元々プレゼンをメインに仕事をしていたわけではなく、エンジニアでありしかも新卒で入った会社では一番自分が出来の悪いエンジニアであったと述べています。

澤氏が実践しているフレームワークを使うことで、プレゼンスキルを上げたいと誰しもが思うことでしょう。

今回はそんな澤氏の著書である「マイクロソフト 伝説マネージャーの世界No.1プレゼン術」からプレゼンの構成について学んでいきたいと思います。

◆ プレゼンで重要な要素のひとつ、それは「構成」

Photo by Green Chameleon on Unsplash

プレゼンを構成する要素としては、スライドデザイン、話し方、配布資料…などなど、多くの要素が挙げられます。しかし、感動するプレゼンや一般的に評価の高いプレゼンは、一様にプレゼンの「構成」という要素に秀でています。  

そして、TEDトークや色々なプレゼンで高い評価を手にしたプレゼンターも、口を揃えて「プレゼンの構成に一番時間を割く」と話しています。  

澤氏によると、多くの聴衆が詰めかけるカンファレンスでのプレゼンであっても、営業先に自社のソリューションを売り込む場合のプレゼンであっても、本質的な構成の作り方について、何も変わらないと著書の中で書いています。  

しかし、一体優れた構成はどのようにして作り上げれば良いのでしょうか?  

まずは澤氏の考えるフレームワークを使わずに作られた、悪い例からご覧いただきたいと思います。



◆ 達人が教える、人を感動させるプレゼンを構成するための流れ

Photo by Teemu Paananen on Unsplash

1、どんな行動を引き出したいかを設定する。

当たり前のことですが、プレゼンは行動を引き出すことが目的のツールです。

例えば、就活中の学生が採用面接でプレゼンする際には、面接官からどういった行動を引き出すことが重要でしょうか?

もちろん最終的に引き出したい行動は内定を出してもらうことでしょう。  

しかし、より細かな目標を設定することでさらに具体的なプレゼン内容を決める事が出来るようになります。  

例えば、人事採用担当者の方が「もう一度、会いたい!」や、「上司にオススメしたい」、「社内のエンジニアに会わせて、適性を図りたい」と感じた場合は内定にぐんと近づくと思いませんか?

このレベルまで細分化することで、より具体的なプレゼン内容が見えてくると思います。

皆さんは「プレゼンを通して、どういった行動を引き出したいのか?」といったことを構築段階から明確に出来ているでしょうか?  

プレゼンを制作する前に、まずはその基礎の部分を考えてみてください。  


2、相手にとって「ハッピーな未来」を描く。  

相手からどういった行動を引き出したいかを決めたところで、次のステップに参ります。  

引き出したい行動の目標が決まった時に、実際にその通りの行動をしてもらわなければ、プレゼンの意味がありません。  

人間が本質的に行動する理由は、  

・◯◯をしたら幸せになれる。  

・◯◯をしたら不幸になる。  

というものです。しかしながら不幸になるということは裏を返せば、「◯◯をしなければ幸せになれる」という捉え方をすることが出来ます。  

つまり相手にとって、行動を起こすことでハッピーになれる未来をイメージさせるだけで、行動を自然に促し、そして実際に引き出すことが出来るわけです。  

さて、就活生で考えるとどういった具体例が挙げられるでしょうか?    

採用担当者目線で考えると、もちろん、現状の技術力があるに越したことは無いのですが、それだけを見てはいないでしょう。そう推測した時に、学生に対して何を期待しているかというと 、やはり今後の伸びしろであったり、成長力が期待されるものの筆頭として挙げられます。  

例えば、「のちに、リーダー的なポジションとして社内で活躍することで、事業の発展に寄与する」というハッピーな未来を提案するのも1つの有力な例になります。


3、オーディエンスをプロファイリングする。  

プレゼン相手は一体どういった人たちでしょうか?聴衆は、顔のない人間ではありません。  

まずはプレゼンの相手がどういった人間かを予測、または確認しましょう。  

オーディエンスが分かれば、より効果的なストーリーテリングが出来るはずです。  

特に、オーディエンスが確定している場合には、実際に同じセグメントの人間に話を聞くことで、  魅力的で、その人にカスタマイズされたプレゼンテーションを行うことが出来ます。  

またまた、就活生の具体例で考えてみるとどういったことが考えられるでしょうか?

一緒に考えてみましょう。まずは、オーディエンスにどういった人を設定するかです。  

もちろん採用担当者が一番に考えられますが、それ以上に入社後は現場の社員と一緒に働くことになるはずですからそういった人たちもオーディエンスになりえるでしょう。さらには新規事業を牽引する事業部長や、役員面接に備えての役員目線など、もはや全社員がオーディエンスとなると言っても過言ではありません。  

そうした中でどのようにプロファイリングをすべきでしょうか?  

リサーチする上で一番良い手段としては、社員の方が登壇しているイベントや勉強会に参加することです。

特に話を聞きに行った時に、チームの考え方と自分の考え方が似てると感じた場合には、素直に「チームにおける開発に対してのマインドが似ていたから」と話せますし、よく就活で聞かれる、「それは弊社でなくてもいいのでは問題」に対処することも出来ます。

すこし考慮したいのはCTOや◯◯さん、といったような個人に感銘を受けたというストーリーについてです。  

その場合、その人が辞めた場合どうするの?といった質問が飛んで来る場合がありますので、そういったケースに対しての応答も考えておくことが重要でしょう。


4、誰かに伝えたくなる、伝播できる「プレゼンの核」を作る。

最後に「プレゼンにおける世界観が一言で伝わる」「誰かに言いふらしたくなる」といった、プレゼンのコアメッセージ、核となる部分を考えます。  

身近な例で言うとカゴメの製品である「野菜一日これ一本」などが、端的に特徴や伝えたいことを言い表している好例だと澤氏は述べています。  

コアメッセージは、相手にプレゼンを通して持ち帰ってもらいたい部分であり、相手にメリットがあり、嬉しくなるものである必要があります。  

自分本意な「自分のスキルは凄い!」というものではなく、「自分は御社の事業に大きく寄与する!」といった、2番目のメソッドで述べたような「ハッピーになる未来」を提案しなければなりません。  

もちろん、最適な言葉に落とし込むのは非常に難しいかと思います。  

しかし日頃からアンテナを張り、意識することを怠らないことや、単に「簡単」と表現するだけでなく「どのように簡単なのか」といったレベルまで因数分解すること、そして諦めずに最後まで吟味を重ねて考え続けることが重要です。さらに言うと、Career Techでは過去にもコピーライティングに関する記事を執筆しておりますので、是非、そちらについても参考にしていただければなと思います。


参考:「マイクロソフト伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術」


◆ まとめ


それでは、このフレームワークを使った結果のスライド例をご覧いただきたいと思います。



これはあくまでも例ですし、実際のスライドの内容はもっと濃くなるので  

よりこのフレームワークの威力を発揮出来るのではと思いますが、それでも悪い例と比べてみても、明らかに伝えたい事がはっきりとしたプレゼンになっているのでは、と思います。  

さて、澤氏は著書の中で「もしも今まで、プレゼンにおいて『内容やスペックを説明すること』で終始していたのであれば、それはプレゼンの本質的にズレいている」と語っています。  

しかしながら、多くの人がこのようなプレゼンを行っていることも事実です。  

苦手な人ほど、自分のことに精一杯になってしまい、今回学んだような「どんな行動を引き出したいか」や、「どういった人に話すのか」を意識せずにプレゼンを構成してしまいがちです。  

今回の記事を読み、実践いただければ、多くの学生エンジニアの中でも抜きん出た存在になれるのではと期待しています。  

澤氏から学んだプレゼンの構成力を活かし、逆求人イベントなどの就活イベントでは差をつけ是非とも内定を勝ち取ってください!